塩尻には、友達が誘ってくれる「塩尻遊び」という体験ツアーがあって、季節ごとに参加させてもらっている。
今回は「稲刈り」「きのこ採り」と秋らしいアクティビティが満載!! 「きのこ採り」では、「イグチ」という茶色くて、裏がスポンジみたいなきのこが大収穫だった。
地元の人たちは主にお味噌汁に入れたり、きのこおろしにして食べるそう。
加熱するととろりとした粘りが出てくる。ちょうどなめこの大型版のようなきのこだ。
収穫したてのイグチは、塩尻市内にある、「ラ・メゾン・グルマンディーズ」の友森隆司シェフにお料理してもらうことに。
お店は基本は予約制なので、ほかのお客さんはいない。「いらっしゃい」と迎えてくれたシェフはまだ若い。聞けば38歳だという。今まで東京、フランス、松本ほかでキャリアを積み、ここ塩尻にお店を作り、根を下ろした。
こだわっているのは、塩尻、及び、近郊の食材を使って料理すること。ワインも塩尻産のラインナップがずらりと揃う。
まず、最初に出てきたのは、濃いピンクが美しいビーツのスープ。土臭くなく、ビーツは本来こういう味なんだ、というようなフレッシュ感がある。近郊の洗馬で6年前から栽培しているそうだ。ビーツ、鴨のだし汁、ヨーグルト、生クリーム、味つけは塩だけ。
去年の夏、(博多の)娘が彫刻の展覧会をやるので、初めてポーランドのクラクフへ行った。そのときに食べたビーツの冷たいスープが、ちょうどこんな感じ。ヨーグルトの酸味が効いていた。クラクフで食べるビーツのスープ、塩尻で食べるビーツのスープ。
次に、まるで絵画のような野菜のテリーヌが出てきた。十何種類もの野菜を使い、野菜それぞれの個性がわかる濃い味がある。生命力のある野菜を使っているからだ。洗馬産の人参のソースがあしらってあり、それをつけながらいただく。
塩尻の子供達の食育にも関わっているシェフが、人参嫌いの子向けに作ったソースだ。「塩尻の野菜の偏差値は日本一。全国でダントツです」とシェフは言う。多品目で高品質。シェフがこちらに来てから農家さんに頼んで作ってもらうようになったため、今では80種類もの野菜が採れる。
また、世界的に有名なデンマークの名店「noma」のドキュメンタリー映画『ノーマ、世界を変える料理』の上映に合わせて、塩尻食材で「noma」の料理を再現するイベントを行ったり、さきの食育、さらに夕食をうちできちんと食べられない子供達のために、商店街にある施設を借りて、毎日カレーを提供したりしている。
「なんでも思ったらやるんです。即実行ですね」
こういうシェフが全国各地にいたら、日本の食文化のレベルは確実に上がるはず。
さて、収穫したイグチは、ベーコンと生クリームを使い、コクのあるクリームパスタになって出てきた。イグチから出てきたトロトロのねばりがパスタとソースをつないで、史上最高のきのこのパスタだった。
そして、シェフの考え方と繊細な料理は、私の記憶に深〜く刻まれたのでした。シェフ、本当にありがとうございました。また、伺います!
ラ・メゾン・グルマンディーズ
長野県塩尻市大門一番8-2
TEL 0263-31-6377
ランチ11:30〜14:00、ディナー18:00〜22:00
月曜休(予約状況により定休日を変更する場合あり)
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2コメント
2017.10.06 02:57
2017.10.05 01:20