「ちきりや」さんは、長野県木曽・奈良井宿にほど近い「木曽漆器の街 木曽平沢」にあります。ちきりやさんへ行く道筋にある奈良井宿は、昔の街道の面影をそのまま残した趣のある宿場町です。
ここでは旧暦の新年、2月3日に各家庭がアイスキャンドルを作り、門前に夜中灯して新年を祝います。もともと地元の人たちのために始めましたが、今では観光客もぼちぼち来て、街道沿いに出店するおでんや蔵元のお酒のお振る舞いで共に祝い、賑わっています。
「ちきりや」さんはそんな街道筋に暖簾を下げているお店。創業は寛政年間、現在の当主で7代目200年の歴史があるという老舗です。その実力は、1930年、ベルギー万国博覧会でのグランプリ、2000年全国漆器展最高賞など数々の業績からわかります。
現当主の手塚英明さんは「代々の伝統技術を受け継ぎながら、常にその時代にあった新しい感覚を取り入れたものを創って来ています。」とのこと。
そのコンセプトのわかりやすい作品が「料理重」のシリーズ。ここでご紹介する『黒内朱取り皿付き三段重』は、三段重に小ぶりの長角の取り皿六枚が組み込まれたお重です。黒漆のお重に朱の取り皿を組み合わせて、収めた時、そしてばらして使うときに使いやすく美しい形に仕上げています。
「おせちだけではなく、お花見の際のお弁当などに取り皿も組み込んだので使いやすいと思います」
また、三段のお重が入れ子に組み込まれている『黒内朱塗 OSAME重』は、三段に重ねると上面にいくほど大きく逆四角柱のデザインが斬新。収めると一段になり、コンパクトに収納できるという優れものです。
お重は、お正月のものと思わず、器と考えると使い道は広がります。特にパーティの時は、漆という素材で格調が高くなりますし、高さもあり、ふたを取ると様々なお料理が出てくるというサプライズで喜ばれます。両方のお重ともに、これからの季節、ぜひおすすめしたいものです。
また、手塚さんのもう一つのクリエイションは「畢生(ひっせい)」というコンセプト。人の一生に寄り添うような器を漆器で創りたい、という思いを形にしたものです。
今回はな組でご紹介するのは、その流れを汲んだ「乱曙塗 収め鉢」。托鉢僧の持つ托鉢にも似た発想。ミニマルな形が美しく、魅力的です。そして、入れ子に収まり、コンパクトに収納ができ、今の私たちのライフスタイルにとても合っています。
一人で使ってもいいのですが、小さなお子さんには小さな器、そして大きくなるに従ってお兄さん、お姉さん、お母さん、お父さんが使うのもいい。それは「畢生」のコンセプトでもあります。
この「収め鉢」は、東京の展示会に出品した時に、ドイツ人など海外の人たちも喜んで買っていくそうです。また、別荘で一人に一組あれば十分足りるからと、ご夫婦で2セット買い求めた方もいるとか。
一生愛用できる器だと思います。あなたもいかがですか?
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