ハーブ料理やオリーブオイルを使ったアメリカの食文化を最初に紹介したのは、北村光世さんだった(後編)


◆ハーブからオリーブオイル、地中海料理に興味は広がって

「アメリカでスペイン語専攻の際、メキシコに短期留学して、アメリカの食文化に目覚めました。振り返ってみると欧米経由で日本に入ってきたトマト、ジャガイモ、とうもろこし、唐辛子、コーヒーなどの食材はみな中南米原産です。パクチーなどのハーブもよく料理に使っていて、アメリカの食文化から学ぶことは多いなと思いました」



帰国後、青山学院大学でスペイン語の教鞭をとりながら、ハーブの料理に特化した料理家のキャリアもスタートさせました。



「当時、ハーブは売られていなければ、自分で栽培して調達できました。が、オリーブオイルは、輸入が一般向けではなく、日本ではなかなか使えなかったのです。身近で買えるようになったのは、1992年のバロセロナオリンピック以降。ハーブ料理にオリーブオイルは欠かせないものだから、やっと自由に使えるようになってよかったと思いましたね。そうしているうちに、ラテンの食の原点の地中海料理をやりたいと思うようになり、いろいろ研究しているうちに、オリーブオイルの仕事も増えてきました。」



早い段階でアメリカの食文化に触れたのがよかった。そこからハーブ、オリーブオイルへと広がっていったと北村先生はおっしゃいます。




◆これからの日本に地中海型食事法をすすめたい!

近著「おいしい処方箋 オリーブオイル・レシピ」(世界文化社)は、これから日本人に向けてすすめたい、和食にハーブやオリーブオイルを取り入れたレシピ本です。



「和食は、煮物や煮魚など醤油や砂糖をかなり使うでしょう。塩分と糖分が多すぎるんです。だから、高血圧、動脈硬化、糖尿病などの成人病にもなりやすい。和食の調味料を、オリーブオイルやハーブに置きかえれば身体によりよいものになります。お刺身は、EXヴァージンオリーブオイルに醤油をちょっとつけて食べるととても美味しい。根菜を細かく切ってオリーブオイルでしっかり炒めて、お味噌汁の具にするとか。いたるところでアレンジできる。




おいしくて身体によい地中海式食事法をもっとみなさんに実践してもらいたいですね。適度な運動、そして楽しく笑いながらみんなで一緒に食事するというようなライフスタイルを含めてね・・・。




人生100年時代、私たちは責任を持って自分の身体を健康にキープしないといけないと思うの。それは社会に対して、きちんと迷惑をかけないで生きていくということです。自分を守るために、食生活はとても大事。長年食に関わる仕事をしてきて、これから私たち日本人が心がけたほうがよいことを家庭料理で紹介したい、そういう思いが詰まった本です。」





◆人と同じことはやりたくない。そこが原点かな。

これから、料理家になりたいと思う人にアドバイスを、という問いかけに「みんながやっていることはやりたくない、というところは基本にあるかな。あえて、逆張りすることがあってもいいのでは。ただし全体を俯瞰で見ながらね」。



そして、一度やると決めたらあきらめず、地道に努力し続ける。その時はどうなるのだろうと少々疑問に思っても、あとから必ず役に立つことはあると。



「日本であまり知られていなかったハーブ、オリーブオイルをいち早く紹介できたこと、さらに料理も加えた3本立てでいったのは、幅が広かったのかな。それが、長年続けてこられた理由かもしれないですね。」



さすが、1980年代〜の先駆者だった人は今も現役で、現在もフロンティア街道を走り抜けているのでした。


文/博多玲子

はな組 公式サイト

「はな組」とは、編集者・博多玲子と、ライター・名須川ミサコの2人で始めた地方活性応援ユニット。地方の魅力を伝えるべく全国各地をまわり、“ニッポンのお宝” と言える美味や手仕事を発掘。それらをイベントやホームページ、ECコンテンツなどで伝えています。

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