予約の取れない料理教室を主宰する小堀紀代美さん。カフェ&レストラン経営からの人気料理家へ(後編)


◆お店経営から料理家に

お店は週に4日、14時〜21時半までしか営業しなかったし、料理を作るのは小堀さんとその食いしん坊友達たち。そして、お料理もお菓子も間違いなくおいしいメニューに限定していました。

「41才でお店を作り、お金をいただく立場になって、自分もスタッフもいつも同じ味が作れるようにと、レシピを起こし始めました。」



お店は順調にまわっていましたが、やはり拘束されることが多く、できる時にできることをやりたいと、お店を閉めて料理教室を始めました。



「暮らしの中心に教室がある方がいいなと思って昨年末に引越しを機に改装し、新たなアトリエができました。でも、最初に、リアルに食べられるお店があったのがよかったと思う。お店の味を知っている方たちが、習いたいと来て下さいました。お店を閉めた後の場所を料理教室にして、毎月5、6回のレッスンをしていました。お店で学んだことは、同じ料理を繰り返し作ることで、おいしく作るコツをマスターできるんだなと思いました。ストライクゾーンに入る味です。教室でそのコツを伝えられたらと思いました。」



◆ストライクゾーンに入るレシピを作るために何回も試作する

「今、レシピのないようなレシピ本が流行しているみたいですが、料理の基本の基準がないと、作ったことのない人には、この料理はこういう味というのがよくわからないのでは」

小堀さんのレシピには、小さじ1/4という細かい表記もあります。

「計量することは大事。お料理が苦手な人ほど計量して、基本の味を知ってから作ってほしいです。それを繰り返したら、料理は身につくのではないかと思います」



あと、大切にしているのは再現しやすいように、スーパーで買える食材をなるべく使うこと。また、海外のレシピをアレンジしたものを教室で紹介することも多く、「行ったこともない、食べたこともない、でもおいしいと思う料理を食べてもらいたいので、旅に行って覚えた料理をアレンジすることもよくしています。そうして、新しい日本のごはんの定番につながったらいいなと思うのです」



小堀さんのレシピは、肉じゃがに中華の調味料を使ったり、自由自在に和食、洋風、エスニックのジャンルを行き来するものもあります。こうして、新しい日本のごはんのスタンダードができていけば、料理はワクワクして楽しいものになるかも。




◆料理家になるためのアドバイスは?

「料理家になりたいという人たちはたくさんいます。でも、この仕事は待っていてもこない(笑)。自分で発信することはマストだと思います。お店を持つのは大変でしょうけれど、イベントでリアルな味を体験してもらったり、SNSで発信することは大事ですよね。」


また、もう一つ外に出てもいいのではとも。たとえば飲食店で働くのも学ぶことは多いと小堀さん。保存のこと、仕込みのこと、そして何回も同じ料理を作り続けるからこそストライクゾーンのレシピができるのだそうです。



「私の場合は、ちょうど時代がよかったんだと思います。リアルに暮らしている中で、ちょっと華やかに、でも、ラクに身のまわりにあるもので楽しく食べてもらう。それに共感してくれる人がちょうどハマってくれたと思います」

文/博多玲子

はな組 公式サイト

「はな組」とは、編集者・博多玲子と、ライター・名須川ミサコの2人で始めた地方活性応援ユニット。地方の魅力を伝えるべく全国各地をまわり、“ニッポンのお宝” と言える美味や手仕事を発掘。それらをイベントやホームページ、ECコンテンツなどで伝えています。

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