宮廷料理人だった祖母の手料理で育ち、料理研究家へ。祖母の味を継承する崔誠恩さん(後編)


◆2006年から大学院で発酵を勉強。論文が優秀賞を受賞

忙しい合間を縫って、崔先生は2006年から韓国の大学院で発酵食品化学について学び始めます。

「他のキムチ店との差別化をしなければと思いました。よく言われたのが、ソウル大学を出た人がキムチを販売しているのは珍しいって。ならばそれを活かして勉強してみようと思ったんです」



これまで6編の論文を発表。昨年は韓国の伝統的な味噌が大腸癌を予防する効果があることを発表し、韓国食品栄養学会で優秀賞を受賞しました。論文を書くにあたり、約1年間も韓国の大学へ通って実験を繰り返したと言います。崔先生の知識の深さは、長年に渡る発酵研究の賜だったのです。そしてその知識を得て、より身体に良い食品の製造販売や、発酵ゼミの講師をするようになりました。韓国発酵食学・崔誠恩ゼミの詳細はこちら



◆料理研究家を目指す人へのアドバイス

「一人前になるには、目で習うものは10年かかります。音楽など耳で習うものは20年、口で習うものは30年かかる。同じレシピでも、作る人によって味が違います。習って作った料理は、本物の味ではありません。子供の頃に食べた味を作れるのは、その人だけです。ですから、もし料理家を目指すなら、あなたの育った土地の郷土料理をメインにすればいいと思うのです」



「そして、大切なのは、食材のことをよく理解するということ。市場で買うのも大事ですが、海苔だったら養殖場へ、塩だったら塩田へ行って実際に自分の目で見てみる。野菜なら、種をまいて自分で育てるのもいいですし、産地を訪ねてみるのもいいでしょう」



「たとえば、赤い土で育てた生姜は味が濃いが香りは少なく、砂地で育てた生姜は味が弱いが香りは強いのです。用途によって使い分けができます。そういうのは実際に行ってみなければわかりません。どのような食材なのかぜひ本質を知って、料理に活かしていただけたらと思います」(終わり)

文/名須川ミサコ

はな組 公式サイト

「はな組」とは、編集者・博多玲子と、ライター・名須川ミサコの2人で始めた地方活性応援ユニット。地方の魅力を伝えるべく全国各地をまわり、“ニッポンのお宝” と言える美味や手仕事を発掘。それらをイベントやホームページ、ECコンテンツなどで伝えています。

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