料理を作り、楽しく食べていただく「ぐうたら料理サロン」。料理教室というより、実は単なるごはん会?をうちで始めてから数年がたつ。
最初はテーマやメニューを相談しながら料理家さんやお料理上手な方に作っていただき、友人、知人に食べてもらうお食事会をやっていた。それは今でもたまにやっている。が、スケジュールを決めてイベントを立てて、というのがどうもめんどくさい。
結果、気楽にやりたくなり、ならばぐうたらな自分でも簡単においしく食べられる料理を作っちゃえ!ということで「ぐうたら料理サロン」はスタートしたのだった。無謀である。いつもながら何も考えてない。笑
ただ、曲がりなりにも料理編集の仕事を数十年やりつつ、ぐうたら主婦としてごはんを作ってきた。お弁当は、小中高と私立に通っていた2人の娘の分をなんだかんだ言いつつ18年間作っていた。自分でもびっくりする。どうやって日々こなしていたのだろう。
自慢じゃないけど、有名な料理学校で学んだことはない。大学生の頃、東京会館の料理教室に何回か行った。横浜で中華料理を教えてくれる教室にもちょっと通った。コルドンブルーは一日体験コースに行ってみた。和食は有名な先生のところでまだらにしか習ったことがない。
でもね、「門前の小僧、習わぬ経を読む」で、取材してきた量はハンパない。長年にわたって料理家やシェフの人たちが料理する現場を数あまた見てきた。そして、毎回企画を立て、入稿するまで料理書を読み込んで、というお勉強はやって来た。というわけで、取材撮影しているところで私は料理を学んだようなものだ。
料理学校は仕事の現場だった。何がよかったかといえば、取材していて、これは私でもできそう、ここのポイントを押さえればいいんだな、と自然に料理を学ばせていただいたことだ。
その後、それらを自分なりに消化して好きな味や家族好みの料理が定着してきた。いわゆる家庭料理というものだ。もともと食いしん坊だし、食いしん坊って、テクニックがむずかしすぎなければ、作るとなんとなく作れちゃったりする。なぜならおいしい味を舌が覚えているから。その手合いだと思う。
そもそも家庭料理って掃除や洗濯をするのと同じ家事の一部だから、誰だってできるはず。「料理」と思わないで、「炊事」と考えればいい、と昔お料理の先生がおっしゃった。「炊事」とは、食べ物を煮炊きすること。ごはんとお味噌汁とシンプルなおかずを作ればこと足りるわけだ。
文/博多玲子
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